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2010年2月27日 (土)

放送大学25年 改善と改悪

もう1週間以上前だが、放送大学から分厚い封書が届いた。
今学期の成績通知書と単位修得状況一覧である。合計で
5枚。総単位数が 531+(他大学修得)30 で合計561単位。

今年から成績通知が早くなって、結果を見てから次学期の
科目登録が可能になった。しかもシステムWAKABAを
使えば、より早く成績確認も登録もできる。

開学当初は3学期制だったので、1学期が始まるとすぐ
2学期の科目登録をし、2学期が始まるとすぐ3学期の科目
登録と1学期の不合格科目の再受験申請(2学期試験用)
が必要という慌ただしさだった。

試験日程も1年間は曜日・時間固定だったので、日曜日
午前中にあった英語 IIA の試験は、事実上必修に近いのに、
例えば神父・牧師などの職にある人は受験出来なかった。

家庭のPCとネット利用の科目登録など25年前には想像も
出来なかったが、それ以外のシステムでも、25年間に
徐々に改善されていると思われることは多い。

だが大学としてより本質的な点ではどうだろうか。
25年前、関東地方のごく一部にしか開かれていなかった
放送大学が、通信衛星などを利用して、全国各地で学生を
受け入れられるようになったことは、大きな改善に違いない。

しかし規模の拡大とともに、必修だった卒論は選択制になり、
通信指導も単位認定試験も、記述式が少なくなってきた。
つまり放送大学が単に知識を売る機関になってしまって、自分の
頭で考える人間を養成することをやめてしまったように感じる。

さらに売りものの知識のレベルにも問題が出てきた。ロシア語が
なくなり、フランス語もドイツ語も、かつては10単位分あった
放送科目が、わずか4単位になってしまった。文法だけ4単位
教わっても、せめて講読の初歩の講義がないと、専門書を
読むことは難しい。英語は科目数こそ変わらないが、中学・高校
の復習レベルのものも加わった分、平均的難易度は下がった。

この25年の間に、少子化にもかかわらず大学の数は増え、
当然のように大学の2極分化が進んで、放送大学に限らず
世間の多くの大学で、大衆化とレベルの低下が問題に
なっている。

しかし、国がバックアップし、授業内容が公開されている
放送大学では、世間の風潮に流されず、大学のレベルを
維持して、大学教育の規範となるような姿勢を保って欲しい
ものである。

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コメント

m(_ _)mはじめまして。放送大学には8年前入学したものの通信添削を受けただけで放棄、このたび仕事の都合上大卒の資格が欲しくなり、再チャレンジしました。惜しいことに速くに専門学校を出たので2年間の勉強が単位として認められず、124単位履修必要となり苦労しています。
冥土の土産に大卒資格、と自嘲していますが、孤独な通信生は寂しく、良き友・良き先輩が欲しいと切実に思います。tubaさまは高卒後50年大学生とか。どうやってそのモチベーションを維持されましたか?また学費は?失礼ですが御年はおいくつなのでしょうか。
イキナリの質問で申し訳アリません。

投稿: リカ母 | 2010年3月 1日 (月) 09時50分

>>リカ母様
コメントありがとうございます。
tuba@68歳、ブログの通り、高卒後50年、うち大学生40年です。

高卒後4年間自宅通学の国立大学、その後3年間
大学院修士課程。いわゆる難関大学ですが、勉強
できる有難味も知らず、全く自主的勉強はなしで、
要領よくそこそこの成績を取るのが自慢の怠惰な
学生生活でした。この間の学費は勿論親モチです。

卒業後すぐ専業主婦になったので、万一の時の保険
がわりに(名目だけの学歴はあるので)せめて塾講師
になれる力を維持しようと、勉強を続けてきました。

塾講師を目指すなら、紙切れ1枚でも勉強の証拠を
残したいと思って通信教育を選び、その結果が、
放送大学、慶応大学などの卒業です。学費は
月額1万円程度なので、家計費でまかないました。
舅と同居していたので、舅からの援助分は自分の
ものという気もあり、特に負い目を感じていません。

現在夫とともに年金生活に入り、今後勤めに行くことも
あり得ない年齢になりましたが、年に数週間だけ
試験勉強をし、それ以外は好きなことをするという
相変わらず怠惰な学生生活は、もう身についていて
今後も何とか続けていきたいと思っています。

リカ母様も、時間がとれるなら、学習センターなど
のサークルに参加してみるのも、モチベーションの
維持に役にたつかもしれません。
ご健闘をお祈りします。

投稿: tuba | 2010年3月 1日 (月) 12時40分

はじめてこのブログ見させてもらいました。小生も放送大学東京世田谷学習センターを卒業し、同センターの同窓会である放送大学東京第一同窓会の会員になっています。
tubaさん(どうしてこんな名前なのかしら?)の放送大学の在り方への問題提起は全く同感です。怠惰な学生に迎合する一般大学に伍して放送大学も学生集めに必死なのでしょう。経営者にしてみれば仕分人に仕分けられちゃあ大変、ということもあるのでしょう。政治のレベルにしろ大学のレベルにしろ国民のレベルに合わされてしまう世の中ですからね。

投稿: みのちゃん | 2010年5月14日 (金) 12時53分

みのちゃん(様)
コメントありがとうございます。
tubaの由来について、新しいブログ記事に
書き込みました。ご覧下さい。

投稿: tuba | 2010年5月17日 (月) 21時46分

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