「漢文の読み方」19の試験問題 「お主!やるな!」
放送大学で私は「好きな科目」ではなく「要求された科目をまんべんなく」取ることに決めている。その結果が6専攻制覇+情報コース卒業という7分野グランドスラムや、ゴール間近まで迫ったエキスパートグランドスラムにつながっているわけだが、勿論好きな科目もあれば、あまりやる気がしない科目もある。心理学を主に選択した今学期の科目登録の中で、エキスパート指定科目外なのに、これだけは是非と登録したのが「漢文の読み方」19である。漢文は60年前高校を卒業して以来、慶応(通信)で8単位取っただけで、それからでも20年近くの空白がある。慶応では詩文・思想・歴史などの講読が主だったが、テキストを自学自習するだけだから、時間と手間をかけて高校の復習をしたという感じで、量的には膨大だったが、大学レベルの新しい学問を教わったという実感はあまりなかった。
今回のテキストは前半が文法、後半が講読だが、文法部分は初めて聞く用語や用法ばかりで私にはとてつもなく難しい。講読部分の量は少なめだが、内容は思想的にも難易度の点でも高度である。今学期の他の科目は全く無視して、とにかく漢文だけは一通り勉強したが、不消化な感じは否めなかった。もっともちゃんと勉強してもさっぱり理解できない科目はこれまでもいくつもあって、適当に単位認定試験を受験したら@で通った経験も多いので、今回も受験しようかとは思ったのだが、漢文のように習得すれば一生使える技術的な分野は、単位さえもらえればいいというものでもない。新開講で過去問もないので、一応出題のレベルを見てからと、受験を見送った。
試験問題が公表されて意表をつかれた。大問2問それぞれにやや長文の漢文(返り点付き)が出題されていて、小問で読解が問われている。1題目は「韓非子」2題目は「孟子」からの出題だが、なんと印刷教材に該当の原典がない。全くの応用問題である。これまで放送大学の語学系で教科書にない長文が出題されたことは一度も無かったように思う。幸い韓非子は大学受験ならセンター試験レベル、孟子も2次試験レベルでさほど高度ではなかったが、これなら全く勉強しなくても実力で合格する人もいれば、印刷教材を一生懸命勉強しても全く合格レベルに達しないこともありうる。次学期の試験では私はどちらになるのだろうか。
お主!やるな! 俄然やる気が湧いてきた。願わくは過去問の使い回しだけは避けて、このスタイルをずっと続けて欲しいと思う。
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